-海と共に未来を生きる-水産高校の魅力を紹介!
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- 2021年11月25日
- 読了時間: 6分
自分が何が好きかわからない。どんな高校に行ったら良いかわからない。
そんなことを考えている皆さん。
「水産高等学校(以下、水産高校)」を一度進路として検討してみませんか?
通常の学校では体験できない、乗船実習や、水産物の加工実習、養殖実習など多くの魅力に溢れる水産高校。
今回はそんな、水産高校について紹介します!
水産高校ってどんなとこ?
水産高校は一般的な学校での授業に加え、通常であれば専門の大学に行って学ぶ、海に関する科目について専門的に学める学校です。
目に前にある海と学校が持つ実習船を活用し、航海実習や漁業実習、情報通信実習、海洋調査実習はもちろん、学校に併設された施設などを活用した水産物の養殖実習、水産食品加工実習など、魅力的なカリキュラムが3年間に詰め込まれているのが一番の特徴です。
よって、水族館に行くのが好き、海で遊ぶのが好き、船に乗ってみたいなんて願望を持っている人はもちろん、通信技術を学んでみたい、船や海洋で使われる機械やロボットを作ってみたいなど、海に繋がる、何かしらが好きな人にとって最高の場所になっています!
一方で、広大な施設や場所、何よりも海の近くにある必要があることから、一般的な普通科の学校に比べ利便性の悪いところにあることが多く、学校によっては学生専用の寮を準備し、そこから通う学生などもいます。この辺りは要注意なポイントです。
現在日本には全国46カ所に水産分野について学べる学校があり、高校1年生の時から自分が特に勉強してみたいコースを選択しより深く学べる学校もあれば、途中までは一般的なカリキュラムで、その後選択式で「水産」に関する科目も履修できる学校など、タイプは様々です。

水産高校で学べること、資格
水産高校では大きく分けて6種類の分野について学ぶことができます。今回はその一部を紹介します!
※学校によっては学べない可能性もありますので、詳しくは自分が興味の持った学校のホームページやパンフレットを確認することをおすすめします。
1.養殖を初めとした、水産資源増殖に関する分野
今世界では魚を初め、貝や海藻など私たちの食卓を彩る資源の減少が問題視されています。この分野では、私たちの生活、私たち以外の生き物たちの生態系に深く関わる資源の管理方法や、養殖手法などについて、専門的に学ぶことができます。将来的には、養殖業を行う企業や、水族館の職員として働いてみたい人におすすめの分野です。
取得可能な資格、検定
水産海洋技術検定、栽培漁業技術検定など
2.加工品を初めとした、水産食品に関する分野
世界中で流通され、私たちの食卓に並ぶ水産食品の製造方法や、食品の管理方法について専門的に学ぶことができます。より学校によっては、地元の加工業者や漁師さんと、新商品の開発などをすることもあります。将来的には、食品加工を行っている企業や、食品管理や流通を請け負う企業などで働いてみたい人におすすめの分野です。
取得可能な資格、検定
冷凍機械責任者、食品技能検定、HACCP基本技能検定など
3.ダイビングを初めとした、マリンスポーツに関する分野
マリンスポーツを体を使って楽しみながら、海との正しい付き合い方を学んだり、海の現状を実際に調査しに行ったりして学ぶことができます。将来的には、ダイビングのインストラクターや水族館の職員、海洋開発関係の企業などで働いてみたい人におすすめの分野です。
取得可能な資格、検定
潜水士、潜水技術検定など
4.漁業を初めとした、海洋漁業に関する分野
学校が持つ練習船などに乗船し、釣り体験や、船上での加工体験をしながら漁業に関する知識や、船舶全般に関する知識を専門的に学ぶことができます。将来的には、海技士(航海)の資格を取得することで、船舶の職員や、漁業者として働いてみたい人におすすめの分野です。
取得可能な資格、検定
海技士(航海)、小型船舶操縦士、水産海洋技術検定、漁業技術検定など
5.造船業を初めとした、マリンエンジニアリングに関する分野
学校が持つ練習船などに乗船し、船舶の命とも言えるエンジンや、発電機、電子機器類全般に関する知識を、本物に触れながら専門的に学ぶことができます。将来的には、海技士(機関)の資格を保有することで船舶職員となったり、エンジニアとして働いてみたい人におすすめの分野です。
取得可能な資格、検定
海技士(機関)、工事担任者、ボイラー技士、冷凍機械責任者、エンジン技術検定など
6.海上通信を初めとした、 情報通信に関する分野
学校が持つ練習船などに乗船し、情報の届きにくい船舶での通信技術や、電子機器に関する知識を専門的に学ぶことができます。将来的には、通信士の資格を保有することで船舶職員となったり、通信業務が必要とな管理企業や、その道の専門家として働いてみたい人におすすめの分野です。
取得可能な資格、検定
総合無線通信士、陸上無線技術士、海上無線通信士、陸上特殊無線技士、海上特殊無線技士、通信技術検定など
この他にも水産高校では水産高校ならではのダイビング部や、ヨット部など水産高校ならではの部活があったり、自分たちで勧めた研究成果を世界で発表する機会もあります。また、卒業後の進路に悩んでいる人向けに実際の仕事場に行って漁師体験や食品の加工体験、水族館実習などがある高校もあります。やりたいことがなくても、やりたいことが見つかる環境。それが、水産高校にはあります!
水産高校の就職先
水産高校は卒業後すると、水産系の就職先含め、多くの仕事につける可能性が高くなります。これは、専門高校ならではで、在学中に通常であれば取るのが難しい資格を沢山取ることができるからです。
また、専門的な知識をより深く伸ばしたい場合は、大学への進学や、「専攻科」と呼ばれるクラスへ進学し、追加で2年より専門的に勉強することもできます。その場合、3年間で卒業する以上に進路は増え、卒業後に大学へ進学を希望する場合は、翌年から大学3年生として同級生と合流することも可能です。やりたいことに応じて進路を色々と選ぶことができる。それが専門学校である、水産高校の魅力です!!
※学校として3年間のみのスケジュールしかない学校、5年間のみの学校もありますので、詳しいところは学校のホームページやパンフレットを確認してみてください。

水産高校の補助金
水産高校は一般的な高校学校と同様に、「高等学校等就学支援金制度」を始めとした、高等学校等に通うことを希望する生徒に対し、所得等の要件に応じて、授業料などへの支援金の給付が行われます。また卒業生に対しては、水産庁より、海技士(20トン以上の大型船舶を運航するために必要な国家資格)を取るために必要な勉強や実習費用を補助する仕組みなどもあります。大きな船を運行して、世界中の海を航海し、仕事をしてみたい人には絶対に必要な資格になります!!この他にも、水産庁より毎年様々な補助が受けられます。
いかがだったでしょうか?
少しでも水産高校に魅力を感じることができたかな?
もし、少しでも興味を持ったら、是非近くの水産高校をチェックしてみよう!!
参考資料
1.水産庁 (4)水産高校における水産教育
2.全国水産高等学校長協会
3.水産高校としての教育の現状と大学への期待(川添 博 2017)
4.文部科学省 海に学ぶ水産高校
5.文部科学省 水産高校ってどんなところ?
6.文部科学省 高校生等への修学支援
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